転職活動をする際、企業に応募するには転職エージェントだけではなく転職サイトや直接応募、どのルートが自分にとってよいのか考えてしまいますよね。一度に複数のルートを使う人もいると思いますが、使う前に実際何が違うのかわからない、違いを知りたいという意見をよく聞きます。
この記事では、転職エージェント、転職サイト、企業への直接応募、それぞれの違いを、応募者からのメリットデメリットだけではなく、元採用担当の経験をもとに、採用する企業側の視点からもお伝えします。
転職活動の応募ルートを検討する際に、少しでも参考にしていただければ嬉しいです。
転職エージェント
企業にとって転職エージェントに依頼するメリットは、採用活動に関連する様々な業務の多くを転職エージェントが引き受けてくれることにあります。一次的スクリーニングや事務的な業務だけでなく、採用セミナーの開催なども採用予定人数が多い場合は実施してくれたりします。
また、採用内定を出したとしても、その人が入社してはじめて料金が発生し、辞退した場合は料金はかからず、入社後数か月で退職してしまった場合はペナルティで料金が一部戻ってくるので、採用にかける労力やお金がすべて無駄になってしまうことはない、という点が大きいです。
一方で、転職エージェントへの成果報酬は高額であるため、企業によっては、採用にかかる費用が高すぎて予算的に求人を依頼できない、あるいは採用の費用対効果が悪いといって採用部門が他部門に厳しく指摘されてしまう、といったこともよくあります。
応募者のメリット
・転職活動へのアドバイスがもらえる
・転職エージェントや担当者によっては応募書類の添削をしてもらえる
・応募した企業側の状況を担当者が聞き出してくれることがある
・不合格の場合、詳しい理由は教えてもらえないことも多いが、今後の対策のアドバイスをもらえる
・企業に直接聞きづらいことを担当者経由で聞いてもらえる
・内定後の条件交渉をしてもらえる
応募者のデメリット
・間に転職エージェントを挟んでいるので企業からの返答などスピードが遅い
・転職エージェントの判断で、自分が応募したい案件を紹介してもらえないことがある
・担当者の当たりハズレがあり、ハズレた時に不快な思いをすることがある
転職サイト
転職サイトは、20年以上前からサービスを展開していて意外に歴史は長いです。20年ほど前の老舗転職サイトでは、求人を掲載するだけで高い料金を支払わなければならず、多額の費用をかけたにもかかわらず一人も採用できなかった、といった厳しい結果となることもよく起こりました。
今では、様々なサービスと比べて、費用対効果が見込めない古いサービスと思われているのではないでしょうか。最近は、採用活動に老舗転職サイトを単独で用いる企業はかなり少なくなりました。
その代わりに、新たな切り口や以前とは異なる料金体系を取り入れた新しい転職サイトが増えています。差別化を図って強くなった皆さんがご存じのサービスもいくつかあります。
応募者のメリット
・サイトに掲載されている求人には、自分が応募したければ自由に応募できる
・情報管理画面があり、企業との連絡に個人のメールアカウントを使う必要がない
応募者のデメリット
・企業との交渉は全て自分が行わなければならない
・転職活動のアドバイスを受けることができない
・不合格の理由は一切わからない
直接応募
最近は自社ホームページでの採用を積極的に行う企業が増えつつあります。費用面でメリットがあることや、企業にとってスピード感が転職エージェントや転職サイトよりも早いという点が取り組みを後押ししているようです。
特に、特定のポジションで1名など若干名しか採用しない場合は、採用に関連する業務も少ないため、自社ホームページで採用できればとても効率的です。採用側からしたらラッキーと思うことすらあります。
自社採用ホームページは、費用をかけて作りこむ会社もありますし、最近CMでよく見かけるような、大手人材系企業が提供している、採用ホームページを簡単に作れて応募者を管理しやすい機能が付いたサービスを使用する会社もあります。
筆者の目から見ると、最近は転職エージェントを使いながら、自社採用ホームページにも力を入れる会社が増えており、採用ホームページから候補者が応募してくれることを企業はかなり歓迎している印象です。
今後、自社採用ホームページを使った採用に力を入れる会社はますます増えそうです。
応募者のメリット
・企業からの返答のスピードが驚くほど早いことがある
・似たようなスキルや経験値の候補者でも、転職エージェント経由より会ってもらえる可能性が高い
・採用するかどうか評価がギリギリの場合、転職エージェント経由よりも採用される可能性がある
応募者のデメリット
・転職活動のアドバイスを受けることができない
・企業との橋渡し役がいないため状況がわかりにくい
・不合格の理由は一切わからない
・プライベートのメールアドレスを使って企業と連絡を取らなければならない
・企業の担当者の忙しさによって返答が遅い場合もある
・メールなどコミュケーションのミスに気を使うので緊張感が高い